自閉スペクトラム症で障害基礎年金2級を取得、年間約78万円を受給できたケース
相談者
女性(30代/就労移行支援事業所通所中)
傷病名:自閉スペクトラム症
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
相談時の相談者様の状況
当センターの所長が勉強会講師を務めさせて頂いた就労移行支援事業所の所長様よりご相談を頂きました。
障害年金のお手続きを検討している利用者さんがいるということで、当センターの相談員が出張面談をさせて頂きました。
ご相談者様は大学院卒業後に他の就労移行支援事業所を利用し、障害者雇用で就労を開始されたそうです。
就労先の仕事や人間関係に馴染むことができず、半年で契約切れとなり更新に至らなかったということでした。
改めて今回の就労移行支援事業所への通所を開始されましたが、現時点では障害者雇用であっても就労は時期尚早と判断されているそうです。
相談から請求までのサポート
面談では相談員が説明した内容をその場で全てノートに書き写し、些細な疑問も完全に解決しないと次のご説明に移れないなど、非常にこだわりが強い面がありました。
お手続きの手順に関しても独自に考えられたルールが有るようでした。
まだお手続きの準備を開始する前にもかかわらず、全ての段取りについて具体的な日付を決めていらっしゃいました。
当センターで事務代行を承る場合は各種書類の有効期限を踏まえ、経済的・時間的効率が良いと判断した手順で準備を進めております。
ご相談者様にも当センターでご提案する手順を踏まえて頂くことをお願いしました。
また、衣食住・日常生活全般において不自由なことをお伺いすると、全て自分一人で行うポテンシャルは十分にあるが周囲の指導や環境や悪いことが原因で適正に行うことができないという回答でした。
障害年金の手続きではポテンシャルがあるかないかではなく、現時点、一人暮らしや就労を開始するとしたら衣食住、勤務にどのような支障をきたすご病状なのかを診断書に適切に記載して頂く必要があります。
「できないこと」「困難なこと」「他者の手助けを必要とすること」について書面に記載する必要があり、自尊心が傷つく作業を伴う可能性があることをご理解頂いた上で事務代行を承ることになりました。
ご相談者様は幼少時よりコミュニケーションの困難さなどを訴え、小児科や児童精神科に通院されていました。
初診の病院は地域を統括する大規模な病院に統合されていましたが、統合前の病院のカルテも保管されていました。
初診日の証明書にあたる「受診状況等証明書」は比較的スムーズに取得することができました。
また、20歳前障害でお手続きされる場合の障害認定日(20歳のお誕生日前日の前後3ヶ月、合計6ヶ月間)当時については臨床心理士によるカウンセリングのみで医師の診察は受けていませんでした。
以上を踏まえ、現在のご病状に関する診断書1枚で未来に向かっての年金のみ請求する「事後重症請求」でお手続きを行うことになりました。
ご相談者様のように、請求傷病がICD-10コード F84に区分される広汎性発達障害の場合、「病歴就労状況等申立書」は生まれてから現在までの生育歴と病歴を全て記載する必要があります。
面談後に改めて生育歴や日常生活での困りごとに関するアンケートを取らせて頂き、「病歴就労状況等申立書」を作成しました。
当センターで代理作成した「病歴就労状況等申立書」の内容確認や添削、修正作業にも非常に時間が掛かりましたが、ご相談者様一人では生育歴と病歴を簡潔に書類にまとめることは難しかっただろうと喜んで下さいました。
また、就労移行支援事業所の所長様もプログラム参加中のご様子、問題点について意見書を作成して下さるなどフォローをして頂きました。
結果
広汎性発達障害で障害基礎年金2級を取得、年間約78万円を受給できました。
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