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脳性麻痺による上肢機能障害で障害基礎年金2級を取得、年間約78万円を受給できたケース

相談者

男性(30代/障害者雇用)
傷病名:脳性麻痺による上肢機能障害
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級 (年間約78万円受給)

相談時の相談者様の状況

ご相談者様は乳幼児健診で脳性麻痺による右半身機能障害が判明し、幼少時からリハビリを実施していました。
リハビリにより独立歩行が可能になりましたが、上肢の機能には改善が見られず症状固定と診断されました。
小学校入学に合わせ障害者手帳を取得し、その後通院は途絶えていました。
専門学校卒業後に一般雇用で就職した会社が倒産してしまい、求職活動のためハローワークを利用したところ、障害者雇用での再就職と障害年金の手続きを勧められました。
ご相談者様は障害者手帳を取得後は通院することもなかったため各種福祉制度をご存知ありませんでした。
ハローワークを通じて障害年金制度を初めて知り、お手続きするため20年ぶりに病院を受診しました。
必要な検査を受け診断書を取得しましたが、「病歴就労状況等申立書」の作成ができずお手続きを断念しました。
その後、障害者雇用で再就職しましたが別の傷病で短期休職したことを機に障害年金制度を思い出し、改めてお手続きを希望してご相談を頂きました。

相談から請求までのサポート

ご相談者様の障害者手帳の等級や面談した際のご病状を踏まえ、障害年金受給の可能性が高いと予想しました。
また、幼少時から症状固定と診断されていることや、成人後に一度、障害年金の診断書作成のため必要な計測をしていることを踏まえ、20歳当時の障害認定日に遡ってお手続きできるのではないかと考えました。
ご相談者様のように先天性のご病気や未成年で発病したご病気により20歳前に初診日がある方は20歳前障害によるお手続きを行うことになります。
20歳前障害でのお手続きの場合、本来であれば20歳の誕生日前日を起点とした前後3か月間、合計6か月の間の障害状態について医師が作成した診断書を取得する必要があります。
しかし、ご相談者様は20歳当時どこの病院も受診しておらず、該当期間の障害状態について診断書を取得することができません。
そのため、通常であれば現時点の診断書のみを提出し、未来に向かっての年金支給のみ求める「事後重症請求」を行うところですが、障害者手帳を取得した幼少時から現在まで障害状態が固定していることを主張し、20歳当時に遡って年金の受給権を求める「遡及のある認定日請求」を行うことにしました。
まずは、幼少時のカルテが保管されているかを確認したところ、既に破棄されていることが分かったため、小学校入学前に取得した障害者手帳申請用の診断書を取り寄せることにしました。
本来、障害者手帳申請用の診断書のコピーはその方が死亡するまで住民登録がある市区町村が保管することになっています。
しかし、ご相談者様の場合、これまで転居した先の自治体で診断書のコピーを紛失してしまったことが判明しました。
そのため、県の障害福祉担当部署に問い合わせ診断書のコピーをご提供頂きました。
また、改めての受診に際し病院のソーシャルワーカーさんにお手続きの趣旨を説明した上で、前回ご自身でお手続きしようとした際に作成された診断書のコピーをカルテ開示請求しました。
同時に受診予約を取り、再度診察および検査を実施して頂きました。
更に症状固定を裏付ける資料として、麻痺の状態が分かる幼少時の写真や20歳当時の麻痺の状態を知る第三者による申立書を集めました。
ご自身での手続を断念する原因となった「病歴就労状況等申立書」も出生から現在までのご様子を丁寧にヒアリングし代理作成しました。
20歳当時に遡って障害等級が認められるよう最善を尽くしましたが、結果的には20歳当時の障害等級は認められず、事後重症分のみ2級が認定されました。

結果

脳性麻痺による上肢機能障害で障害基礎年金2級を取得、年間約78万円を受給できました。

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